2015年1月17日土曜日

CESに見るロボット技術

CESの目玉ゾーンのひとつにロボット関連の展示があります。従来、日本でのロボットと言えば工業用のものがイメージされがちですが、CESで展示されているものは、家庭用や一般用途のものが中心です。その中で特に目立ったのが、無人飛行ロボットとも言える、いわゆるドローンの展示でした。


こうした比較的大きな物から、趣味用の小さなものまで様々なドローンが展示され、あちこちで飛行デモが行われていました。
これなどは、超小型のものですが、HDカメラを搭載していて、個人の趣味での空撮などに使えます。比較的小型の物は、こんな感じで、網を張ったブースの中で飛行デモを行っています。

これらは単なる無線操縦ではなく、コンピュータで制御され、製品によって差はありますが、自動運転も可能になっています。操縦に習熟していなくても、コースなどをあらかじめ指定しておけば、それに沿って飛ぶことができたり、遠くへ飛んでいっても、自動的にパイロットのところまで戻ってくるような機能を備えていたりします。
アマゾンなどが、ドローンを使って配達を行う計画を明らかにするなど、今後こうしたドローンは実際に様々なところで使われていくでしょう。日本でも、法制度の整備などが予定されているとの報道もあります。ただ、こうしたものが多用されるようになり、個人が趣味でも飛ばすようになると、事故なども含めて様々な問題が発生することが予想されます。たとえば、犯罪等にも利用されるかもしれません。もしかしたら乗っ取りなどもあるかもしれません。そうした事態をどこまで想定してそれらを防ぐような設計ができるかも大きなポイントだろうと思います。

ドローン以外にも様々なロボットが展示されていました。こちらはソーラーパネルの自動清掃ロボット。大規模な太陽光発電所が砂漠の真ん中に建つ米国では必需品かもしれません。

こうしたロボットはいずれも、高度な自動制御機能を備えています。一見おもちゃのようですが、非常に高度な動きができたり、様々な学習機能があり、様々な分野への応用ができそうです。



こちらは案内ロボ。言葉や相手の行動を認識して会話ができるものです。ちょっと不気味な感じもしますが・・・・。
こうしたロボットの多くが無線ネットワークで接続され、PCやスマホから制御ができるものです。しかし、この無線は意外と落とし穴かもしれません。実は、ブースのデモのいくつかが無線の接続不良が原因で失敗するという状況を見ました。使われている多くが、2.4GHz帯のWiFiやBluetoothなどで、実際に手持ちのアナライザーで調べてみると、2.4GHzのWiFiだけでこの有様。
IoT関連も含め、こうした無線帯域の混雑にどう対処するかも大きな課題だろうと思います。とりわけ、最近は個人でもWiFiルータやBluetooth機器を持ち歩くことが多いため、繁華街などでは繋がりにくい事態がまま発生します。通信が切れて困るような用途では、専用の周波数帯を割り当てるなどの措置が必要になってくるでしょう。場合によっては妨害対策なども必要になるかもしれません。無線の妨害は比較的簡単にできてしまいます。それによって重大な事態に陥らないような対策も必要だろうと思います。

さて、今回はこんな感じで最新技術に触れ、なかなか刺激的でした。同時に、私の本業であるセキュリティもこうした技術に大きく依存することを実感した次第です。今後も、こうした最新技術動向の収集は続けていきたいと思っています。


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