24日からシカゴで開催されていた(ISC)2 Congress に参加してきました。このイベントは、ASISという古くから物理的なセキュリティを含めて取り組んでいる団体のイベントと共催されているものです。どちらかといえば、60年近い歴史のあるASISの存在感が大きなイベントで、かなり大規模な展示会も、監視カメラやセキュリティゲート、はては防弾チョッキといった物理セキュリティ(警備)関係の製品が大半を占めています。しかし、こうした製品も、最近ではコンピュータ制御され、IPネットワーク、さらにはワイアレス接続されていて、我々、サイバーサイドのセキュリティ屋としては、一抹の不安を覚えるのも事実です。この2団体が協力関係に至った理由の一つがそういうことなのだろうと思います。
今回は、標的型攻撃やマルウエア関連のセッションを中心に聞きましたが、だんだん、こうした攻撃への対応事例が詳しく語られるようになってきています。実際、その対応はなかなか大変なもので、数万人の利用者がいるActive Directoryのシステムをすべて再構築したりと、リカバリのためのコストも相当なもののようです。ウイルス対策ソフトでも検出できず、派手な動きもしないマルウエアが、内部に入り込んでしまった場合、それを発見することも簡単ではありませんが、とりわけ高度な技術を扱う企業や重要インフラ企業などでは、様々な角度から対応を求められる状況になってきていると思います。最終日のパネル(上の写真)でパネリストがみな危惧していたものに、株式市場などへの不正介入がありました。取引時や証券会社のシステムがターゲットにされ、市場が混乱することで、経済に多大なダメージを与える可能性があります。
今回は割と具体的な事例の話なども聞くことができ、貴重な経験でした。なかなか日本では、こうした具体的な話を聞くことができるイベントやベンダーから独立したイベントで、かつマネジメントも含めて全体をカバーしてくれるものがないのが残念です。日本でもこうしたイベントが増えるといいのですが。
ということで、コンファレンスのあとは夕暮れのシカゴの街を夜景を見ながらあるいていました。
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