2012年10月27日土曜日

共同執筆書籍「APT対策の基礎」刊行のお知らせ

インプレスR&Dより、表題の書籍が刊行されました。この本は、日本セキュリティ監査協会(JASA)有志の皆さんと共同で執筆したものです。

APT(Advanced Presistent Threat)つまり、「高度かつ継続的な脅威」とは、多くの資金を持ち、高度な技術を持つ人員をふんだんに投入して、長期にわたり継続して攻撃を仕掛けてくるような、脅威(の主体)を意味する言葉です。

もともと、米国の国防系で、特定の仮想敵国を意味する言葉として使われ始めたのが、由来とされていますが、昨今では、サイバー攻撃でも、同様の攻撃主体をあらわす言葉として使われます。

日本に、この言葉が輸入された際には、他の米国の用語の例にもれず、残念ながらバズワード化してしまいました。「新しい攻撃」のような解釈も生まれ、だんだん本来の意味が薄れてくると同時に、最近では既にあまり聞かれなくなってきています。

本書の著者たちは、このAPTを、その言葉の意味通りの相手として、より一般化した形で捉え、あえてこの言葉を表題に使うことにしました。簡単に言えば、何かに目標を定めたら、一度では諦めず、こちらが防御すればそれに対応して、手を変え、品を変え長期にわたって攻撃を仕掛けてくるような、厄介な相手というような意味合いです。

実際、昨年発覚した防衛産業や政府機関、立法府といったところへの攻撃には、タイムラインとしてかなり長い時間軸で攻撃が行われていたり、周到な準備が行われているような兆候も多々見られます。残念ながら、ある意味でこの攻撃者が拍子抜けするような守りの甘さが原因で攻撃を許してしまったというものもあるようですが、とはいえ、もし基本的な防御に抜かりがなくても、他の切り口から攻撃が加えられてきたであろうことは、想像に難くありません。

そのような状況を考え、こうした脅威がどのようなものであるか、そして守る側として最初に考えておくべきことは何なのかを、改めて本書でまとめてみることにしました。

是非、お読みいただいて、ご意見などを頂戴できればと思っています。


「APT対策の基礎」  インプレスR&D刊


#副題については、マーケティング用につけられたものなので、突っ込まないでくださいね。(笑)

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